心のパスワード:張立夫の詩③「蛍の涙」

蛍の涙

握りしめた
手のひらほどの明日
蛍の夏は季節のつきあたり
今日もまた一つの欠片
この光りを風に乗せて
この祈りに翼をくれ
巡り合えなくても
届かなくても
月光の下 揺れながら
色褪せた光は輝く
蛍の涙は一つの種

そっと目を閉じて
じゃあまた来年

瞬いた永遠の祈り
琥珀色の涙

「張立夫さんの紹介」

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心のパスワード:張立夫の詩③「蛍の涙」 への1件のフィードバック

  1. 西川 幸人 のコメント:

    梅雨の晴れ間の7月初旬に清流のある山里で、夕暮れの後、蛍の舞を見た遠い記憶がよみがえってきました。蛍の舞った跡に見える光から陰へ映る様子が蛍の涙と喩えられているのは、いいですね。張立夫さんの心のパスワードによって、私の記憶が開かれたように感じました。

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