飛んでくる福豆に驚く留学生—宝仙寺の節分会

豆まきの始まり、始まり!

イーストウエスト日本語学校から歩いて5分の所に宝仙寺があります。平安後期の寛永治年間(1087〜1094)、源義家によって創建された由緒あるお 寺です。宝仙寺の節分会は、全国でもユニークなものとして有名で、外国から来た人達にも人気のお祭りです。戦後の焼け跡から、昔この寺に僧兵がいたことを 裏付ける出土品が見つかったことをきっかけに、1953年から僧兵行列を盛り込んだ節分会が行なわれるようになったのだと近所の人が教えてくださいまし た。

今日参加したのは、韓国・中国・台湾・インドネシア・ロシアの5カ国からきた中級クラス18人。みんなでワイワイ言いながら宝仙寺に着くと、既に僧兵行 列が終わり、僧兵たちが並んで座っていました。鎧の上に黒染めの衣、白頭巾をかぶり長刀を携えた大勢の僧兵が青梅街道を練り歩く「僧兵行例」を、留学生た ちは時間の関係で見ることができなかったのです。

まずは1列に並んで、紙コップにお酒を注いでもらい、美味しそうに飲んでいます。しばらくすると、留学生たちの姿が見えなくなりました。人だかりの中を 探してみると、なんと境内の端にある「たこ焼き屋」さんの前で、たこ焼きを分け合って嬉しそうに食べているではありませんか(ま、今日は、大目にみよう……)。

節分会での護摩焚き

いよいよ舞台の上から「福は〜〜〜内! 鬼は〜〜〜ソト!」の掛け声とともに、福豆や蜜柑が飛んで来始めました。留学生たちは何が何だか分からず、後ろ のほうで呆然としています。日本人は慣れたもの、大きな袋で受け止めようとしている人、帽子を脱いで広げている人、みんな必死です。そこには大きな笑いの 渦と、目を細めて見守っている人たちの姿がありました。帰路、留学生たちからいろんな質問が飛んできました。

「どうして日本じゃ、小学生もお酒を飲んでもいいんですか」
「あんなにみかんを投げて、危なくないですか」
「あの人たちは、どうしてあんな格好をしてるんですか(僧兵のこと)」

みんなでワイワイ「受け取り合戦」

翌日、留学生たちが書いたコメントのいくつかをご紹介します。日本に来てまだ数ヶ月という彼らにとって、地域で祝う節分祭りは、とても新鮮で良い思い出になったようです。

○日本に来て本当におもしろい光景というか、日本人のおじいさん、おばあさん、子供など、ふくろを持ってたのしみながらみかんやらっかせいを入れることを 見て、日本は本当に行事やまつりを大切に考えているなと思いました。韓国では節分よりとうじをもっと大切にしてあずきがゆを食べます。そしてらっかせいや くるみなど堅果類は陰暦の正月15日に食べています。(韓国 女性)

○豆まきはとても楽しかったです。豆はおいしくないと思いましたが、きのう食べてみた時、とてもおいしいと思いました。ロシアにもせつ分のようなまつりが あります。その名前はマスレニトゥサ。3月に人々はあつまって、いろいろなゲームをしたり、うたを歌ったり、あそんだりします。(ロシア 女性)

○きのうは節分の日でした。昔小さい時から節分っていう、まめをなげる日をもうよく知っています。私は、8歳からジャカルタに住んでいる日本人の友だちが いますから、いっしょにまめをなげたことがあります。お寺で節分の日の式は初めて経験しました。すごく日本のでんとう的な儀式だと思います。(インドネシ ア 男性)

○私の国はいろんなまつりがありますが、日本より地域でするまつりはあまりないです。近所の人々がみんな集まってたのしんでいることを見て、私もすごくたのしんでいました。(韓国 女性)

○自分の国では節分と立春などの日を知っているのに、特別になにもしません。お寺の祭りはにぎやかだったし、人も多くて、楽しかったです。でも、みんなの 方に落花生とみかんを撒くことがびっくりしました。危ないかもしれないと思います。でも、新年の始まりを重要視するのは大切だし、意味がある良いことをす ると、1年間全部のことが良くなるかもしれないと思います。(台湾 女性)

○韓国は節分より立春をもっと大切に思います。家の前に「立春大吉」の漢字を書いてはります。節分の行事と同じような行事は冬至におにが来ないようにあずきがゆを食べる風習があります。それは、おにが赤いものがきらいだからです。(韓国 女性)

留学生は、記念撮影に夢中

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