『できる日本語初級 教え方ガイド&イラストデータCD‐ROM』(アルク)刊行!

『教え方ガイド&イラストデータCD-ROM』表紙

『教え方ガイド&イラストデータCD-ROM』表紙

4月上旬に『できる日本語初級』が出てから半年経ちました。これまで説明会や研修会などで、多くの方々との対話が実現できたことは、大きな喜びです。そうした対話を通して、「タスク先行型の日本語教育」を目指す仲間がどんどん増え、私自身も少し成長できた気がしています。

 この「できるシリーズ」の開発を始めようと思ったのは、次のような理由からでした。

〇自分が考える「プロフィシェンシー重視の教科書」を作りたい。
〇その教科書を軸に、現場の先生方・関係者との対話を通して、輪を広げていきたい。
〇そうした輪をたくさん作ることで、日本語教育を活性化させたい。
〇さらに、日本語教育で「活気ある社会づくり」を進めたい。

実は、開発過程の話し合いの中で、「現場教師のシャドーワーク(不可欠なものでありながら対価が支払われない労働)的なこと」を少しでも減らしたいということが出てきました。そこで生まれたのが、この「イラストデータCD‐ROM」なのです。

教科書をコピーして、切り張りしてテスト問題を作成する、イラストを拡大コピーして教室活動に使用する……。こうした作業を少しでも軽減していただきたいという思いから、『できる日本語初級 本冊』に掲載されているイラスト1,033点をすべてCDに収めました。

「チャレンジ!」の状況イラストやコマイラストは、クラス全体に見えるよう、大きなサイズで印刷してそのままお使いください。また、その他の項目に関するイラストも、語彙導入・代入ドリル・動詞や形容詞の変形ドリルのフラッシュカードとして使うこともできます。さらには、イラストの使いたい部分をトリミングして使えば、すてきな練習問題シートやテストが出来上がります。

「教え方ガイド」に関しては、何度も議論を重ねた結果、できるだけシンプルなものにしました。最初は、1課に30ページもの量のガイドを作っていましたが、文法説明的なことは、いくらでも他に調べるものがあることから、先生方がご自分の方法で・・・と考えました。

この教え方ガイドでは、まず各課の構成と授業の流れを説明した後で、課ごとに次のことを記しています。

〇課の行動目標と学習項目
〇「質問例とやりとり例」(【話してみよう】【チャレンジ】)
〇留意点(【話してみよう】【チャレンジ!】【やってみよう】【できる!】【話読聞読】)

来年3月には『できる日本語初中級』、さらに副教材も出版予定です。詳しくは次の記事でお知らせします。
まだ『できる日本語初級』をご覧になっていない先生方、どうぞ一度手に取って中を覗いてみてください。この教科書を使い始めて3年以上になりますが、明らかに学習者の発話が増え、人との繋がりがどんどん広がっています。私は密かに「わ・わ・わの教科書」と呼んでいます(「話→輪→和」)。

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