4人で合計355才の会合「ドナルド・キーンさんと三姉妹の会」

キーンさんと三姉妹

キーンさんと三姉妹

今日は、ドナルド・キーンさんと母達3人姉妹の食事会がありました。
母(92歳)、キーンさん(90歳)、叔母(89歳、84歳)、合計するとなんと355歳。4人に共通するのは、「どこまでも前向きな姿勢」「若い人顔負けのあくなき好奇心」「人との出会いを愉しむ心」、お食事会は大いに盛り上がりました。「長生きすると、楽しいこと、思いがけないことがいっぱい。長生きしなくっちゃ!」と、母も大満足でホテルを後にしました。

そもそもは、3人姉妹がキーンさんから『正岡子規』『ドナルド・キーン自伝』を頂いたのが、食事会のきっかけでした。古浄瑠璃の会などで、前にも何度かお会いしていましたが、「一度ゆっくり桜の花を愛でながら、お食事会を・・・」ということになり、今日の集まりが生まれました。

今日お聞きしたキーンさんの貴重なご意見を記しておきたいと思います。

■もっともっと日本の若者は、日本文学を読んでほしいですね。こんな素晴らしいものを多くの人が読んだことがないというのは残念ですね。それには、国文学の世界でも、「源氏物語でも、原文でなければ・・・というのではなく、現代語訳でもいいから、良い作品に触れることを進めるという姿勢が大切です。世界の、日本からずっと遠くにある小さな島で、『源氏物語』の翻訳本を見た時、本当に感動しました」

■今は、石川啄木を研究しています。彼について書いた本は山のようにありますが、私がほしい本がなかなか見つからない。彼が小学校時代にどういう教育を受けていたのか。それは表面的に何を習ったか、ではなく、どんな教師に出会って、どんな影響を受けて、彼のような人物、作品が出来上がっていったのか。それを知りたいんです。彼に大きな影響を与えた何か、誰かがいたんだと思うんです。

■(「桜の美しさ」の話から・・・)もちろん京都の桜もきれいですが、私は京都のもみじが大好きなんです。本当に美しいと思います。実は、私が初めて日本で暮らしたのは、京都でした。いつまでも良い思い出です。その時の「京都での生活」は忘れられません。

いやはや、4人合わせて355歳の「すばらしき人生の先輩方」とのおしゃべり、若輩者の私(60代)と2人の従兄弟達(50代)は、大いに楽しみながら、たくさんのことを学ばせていただきました。年を重ねるってことは、素敵ですね!!

ドナルド・キーンさんを囲んで

ドナルド・キーンさんを囲んで

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