留学生活の座右の銘、「時を逃さない」

これは、2007年3月にイーストウエスト日本語学校で行われたスピーチコンテスト午前の
部の入賞作品です。

投稿者 金香雅(韓国)イーストウエスト日本語学校
2007年3月13日投稿

 みなさん、みなさんは、「自分が一番幸せになれる方法」を考えたことがありますか。

コンテストでスピーチする筆者

 日本に来る前、私にとってその方法は「やりたいときにやりたいことをやる」ということでした。「やりたい」と思っても実行することは、大変なことです。それにやりたいことでも、やりとげるには時間が足りないかもしれません。だから、「やりたくないことは、やる必要がない」と思っていました。

 私がやりたいこと、それはフードコーディネーターになることでした。そしてその勉強をするために、日本へきました。「やりたいときにやりたいことをやる」を実行したのです。ところが、日本に来てからしばらくして、その目的をあきらめて帰国することを真剣に考え始めました。勉強やお金のことで、毎日悩んでいるうちに、本当につらくなったからです。それは、わたしにとって「やりたいこと」ではなくなってきました。

同上

 そんなときでした。偶然ある雑誌で「時を逃さない」という文章を見ました。「どんなときでもそれはチャンス。それが出来るときは2度とない」という内容でした。それを読んで、私の考えは変わっていきました。「外国で勉強している『今』は、『今』しかできない。それはチャンスだったんだ。」と改めて気づいたのです。同時に「今」は若くて「両親から支えてもらえているときだ」ということにも気付きました。

 最初の私の「一番幸せになれる方法」に従えば、「悩みながらやること」は、「やる必要がないこと」です。でも、どんなに大変なときでも、それが出来る「時」は「2度とない」のです。またそれが最も幸せな瞬間かもしれません。もし今あきらめたら、せっかく自分に来たチャンスを逃したことになってしまいます。そう思うと、日本に来た「目的」もはっきりしてきました。みなさん、みなさんも自分が乗るべきバスや電車を逃した経験がありませんか。それが慣れない場所でのことだったら、口では言い表せないぐらい困ると思います。これがせっかく日本に来たチャンスを逃した気分と同じではないでしょうか。だから私は、自分にとって慣れない「外国」である日本で「目的」を逃してはいけないと思いました。

 私たちの人生の中で、チャンスは何度も来るものではありません。でも、もしかしたら、チャンスはどんなときにでもあるのに、それに気付いていないだけなのかもしれません。なので、私は「出来るとき」を「チャンス」と考えて、逃さずにつかもう。「チャンス」を生かして努力できることに感謝しようと思いました。

 「チャンス」つまり、「時」を逃さないこと。これは、人生の長い道を途中であきらめることなく歩いていく力になると思います。

 私は、留学生活を終え、自分を振り返ったとき、「日本に来てよかった」と胸を張って言えるように、「時を逃さない」を座右の銘にして、これからも留学生活を続けようと思っています。みなさんも目の前にあるかもしれないチャンスを逃さないでください。

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