日本留学のきっかけは「在日コリアン」との出会い

これは、2007年3月にイーストウエスト日本語学校で行われたスピーチコンテスト午前の
部の入賞作品です。

投稿者 梁虎(韓国)イーストウエスト日本語学校
2007年3月15日投稿

こんにんちは、M10クラスの梁虎(ヤンホ)と申します。本日はスピーチコンテストの題材として「在日コリアン」というタイトルで話をさせていただきたいと思います。

僕は2005年5月から日本語の勉強を始めて、2006年1月に留学を決めました。そのきっかけの中には、「在日コリアン」という人たちに出会った影響が大きいです。

僕は韓国の飲み屋でバイトをしていたときに、ある人たちと出会うことになりました。その人たちは、見た目からして日本人の格好をしていて、僕は当然日本の人だと思い、日本語で注文を取りに行きましたが、その人たちは逆に、僕に韓国語でこう言いました。

「うちらは在日3世で、韓国語大丈夫ですよ」

そもそも在日コリアンは何か?ということを話したいと思います。現在日本には、観光や留学を除き、韓国籍、または朝鮮籍を持っている人が約60万人暮らしています。ではなぜ現在日本にはこういった在日コリアンがいるのでしょうか?

最初は僕もよく分からなかったのですが、在日コリアンの歴史は1910年日韓併合から始まります。1945年に日本が戦争に負け、朝鮮の植民地統治が 終った時点では約250万人の朝鮮人が日本にいました。それから戦争が終わり、朝鮮半島へ帰っていった人は半分以上いたそうです。しかし、帰らずに日本に 残った人たちもいました。日本に残った人たちは、当時の朝鮮半島の政情の不安で、おなじ民族同士の戦争「韓国戦争」が始まり、家族を連れてくることが危険 だと感じたため、帰国を躊躇しました。それ以降、今日まで日本で暮らし、その歴史はなんと100年位にもなります。

今、日本の焼肉産業とパチンコ産業に関わる約70〜80%は、在日コリアンの人たちだそうです。そして在日コリアンの人たちの共通語は完全に日本語です。母国語を理解する人は20%にも満たないと聞き、最初は残念なことだと思いました。

しかし、彼らに出会って、その考えは変わりました。

現在私たちは韓国と日本、そして韓国と北朝鮮などいろいろ政治的な問題を抱えていますが、僕は日本の政情を韓国語で伝えられる在日コリアンの人たちこそ このような問題のかけはしになれると信じています。そして、このように僕が今ここで少しでも在日コリアンのことを伝えることができましたら、今まで在日コ リアンのことを知らなかった人々にも「この人たちは日本人なんだから」と単純に思わず、彼らはどのような存在であるのかを、ここにいる皆さんにも是非考え てもらいたいと願っています。

本日このような会を開いていただきまして、うれしく思っています。ここまでお聞きになってくださいましてありがとうございました。

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