日本の能に魅せられて

投稿者 エカテリナ・クストウァ(ロシア)イーストウエスト日本語学校
2007年5月18日投稿

特別授業では能楽「羽衣」を準備段階から見学することができました:武田修能館にて

 日本の演劇文化にずっと興味をもっていたので、日本にいるあいだに必ず能の芝居を見たいと思っていました。それで、イーストウェスト日本語学校の授業で紹介してもらった時(参考記事:「高砂や〜〜〜」留学生の謡い大合唱)、観世流のお芝居を見る機会は見逃さないようと、すぐにチケットを買いました。あらすじ本を読みながら、以前見たNHKのお正月番組と、能のイメージは実際どのように違っているのかを考えながら、観世能楽堂に入りました。

 芝居のプログラムは:「通盛」、「寝音曲」、「杜若」と「藤戸」という能と、狂言のお芝居。観世流の方々の説明のおかげで、出し物のあらすじがよく分かりました。もちろんセリフは外国人にとって聞き取りにくいのですが、イタリアのオペラと同じように言葉が1つひとつ分からなくても、雰囲気で理解できます。

 狂言は昔の笑いものなので、今でも見る人を愉しませてくれるのだと思います。演者の声と動作であらわす気持ちは、子供でも分かるに違いありません。戯曲はもっと複雑な気持ちを込めているので、出し物のあらすじを読んでから見れば、ストーリの内容はもっとよく理解できます。

準備が終わり、「羽衣」の舞が始まりました

 ロシアでは能を見る機会はめったにありません。数年前モスクワとペテルブルグで歌舞伎のお芝居が演じられましたが、その後は日本演劇を実際に見るチャンスはほとんどありませんでした。だからこそ日本で能を鑑賞したことは、忘れられない思い出になると思います。

 実は日本以外には、昔の演劇文化をこれほどよく保存している例はほとんどないと思います。能については何百冊も本が存在しますし、大学の博士は能の秘密と技術について研究を行っています。伝統文化を研究するのは大事です。そして、昔のお芝居を今でも見られ、古典の笑いものと悲劇に触れられるのは、日本での忘れられない思い出になります。

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