真の異文化交流とは?(4・完) 心を開く

投稿者 朴昭貞(韓国)イーストウエスト日本語学校
2008年1月12日投稿

 異文化交流において一番重要なのは、他の文化についての関心と尊重だと思う。しかし今のところ、人々は自分、または自分が属している集団の利己の中に住んでいて、自分と姿を異にするものにはあまり関心がない。ただ見た目だけではなくて、思想や宗教などが異なる国の文化に対しては抵抗感さえ感じるのが事実だといえる。これはなぜだろうか。

 私たちは子どものころからずっと周りからの影響を受けている。異文化に対して自分の属する社会全体が持つムードや、マスコミなどの視線、また異文化に属する人に対する親の考え方まで。この中には、肯定的なものも否定的なものもあるが、大抵これらは、「偏見」を作ってしまったりする。直接接した経験がなくても、昔からずっとすり込まれてきたイメージだけで、「異文化」に抵抗感を持つのである。この間の日本の大学生との出会いを通じても、そのような印象を持った。

 大学生たちに「韓国のイメージはどうですか」という質問をしたが、その人たちは「やっぱり情熱です」と答えてくれた。これはドラマを見た感想で、日本人だけではなく、韓国人もよく知っている韓国人を表す代表的なイメージだった。そしてもっとおもしろいと思ったのは、そのような答えを聞いて、私も「やっぱり日本人は外の世界に興味がないよね」とすぐに考えてしまったという事実だ。私は日本の大学生たちに「正直な話を聞きたい」と言ったが、実はこちらも最初から耳をふさいでいたかもしれない。

 私は、外国人、特に日本人とは目に見えない壁があると感じてきた。しかしこの間の出会いを通して感じたのは、その壁は結局、自分、または自分が属した社会が作ったものだとうことだった。異文化交流というのは、ただの関心だけではなく、偏見の目から離れて、本当の姿を見ようとする姿勢から始まると思う。そのためには、もっと多文化に向けて心を開き、それを取り入れられるように努力する必要があると思う。

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