外国語を学ぶうえで大事なこと 間違えても「センスと心の余裕」があれば大丈夫

これは、2009年7月にイーストウエスト日本語学校で行われたスピーチコンテスト午前の部の入賞作品です。

投稿者 鄭ホゾ(韓国)イーストウエスト日本語学校
2009年8月7日投稿

 皆さんは今日本に来て日本語を勉強していますが、外国語を学ぶ時、何が一番重要だと思っていますか。文法? 単語? その国の文化? もちろんそれ全部重要なんですが、私はそれだけではなく、もっとあると思っています。
 
 それは、センスと心の余裕なんです。

スピーチをするホゾさん

 まず、センスについて話します。

 私は、日本へ来たばかりだった時は、ひらがな、カタカナ、簡単なあいさつしか知らなかったです。でも、焼き肉が、とてもとても食べたかったのでルームメイトといっしょに焼き肉屋へ入っちゃいました。その店のメニューで唯一に読める字「カルビ」を頼んで「カルビ」だけ食べていました。

 でも、「カルビ」のような味がついている肉を焼いたら、「あみ」というものがよく黒くなります。黒くなったら交換しなきゃならないものです。だから私は店長を呼びました。「あの、すみません。これ、これ、チェインジ、チェインジ、ください」って言いました。これがセンスじゃないですか。

 次は心の余裕について話します。

 皆さんはだいたいバイトをしていますよね。バイトを始める時、何からしますか。何から習いますか。それは、「あいさつ」です。私も毎日1〜2時間もあいさつの訓練をさせられました。その結果、「いらっしゃいませ」「ありがとうございます」が、すぐ口から出せるようになりました。

 ある日、お客様の中でお誕生日だったお客様がいて、私はケーキを渡しながら、「お誕生日、おめでとうございます」と言おうと思って、頭の中で何度も繰り返しました。でも、実際には、「お誕生日、ありがとうございます」と言っちゃいました。

 とんでもないことですね。皆さんならこのあと、どうしたらいいと思いますか。私はすぐ「お誕生日にうちの店へいらっしゃってくださいまして、ありがとうございます。お誕生日、おめでとうございます!」と言いました。これが心の余裕なんです。もし余裕がなかったら、「すみません、申し訳ございません」と言って、逃げちゃうかもしれません。

 皆さん、外国語を学んでいる時は間違えるのはあたりまえです。恥ずかしいことではないです。留学生活は大変ですけど、心の余裕とセンスを持って、残った時間を楽しく過ごしましょう。

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