日本人の「割り勘」にびっくり 日本の合理的考えと韓国の情の文化が融合すると新たな文化の可能性も

これは、2009年7月にイーストウエスト日本語学校で行われたスピーチコンテスト午後の部の入賞作品です。

投稿者 呉昇恩(韓国)イーストウエスト日本語学校
2009年8月8日投稿

 皆さん。皆さんは日本に来てやりたかった事は何ですか。私は色々な事の中で一番やりたかった事は日本の男の人に会う事でした。ある日、夢みたいな機会が私に来ました。やっと日本の男の人とデートができたのです。どきどきして彼に会って楽しく話しながら食事して幸せな時間を過ごしました。食事が終わった頃、彼はレシートを見てきっちり半額を出したのです。これこそ本物の割り勘でした。

スピーチをする呉さん

 韓国ではデートする時、お金を払う人は男性の方が多いです。私は今まで男の人に会った時お金を払った事はありません。そんな私にとって割り勘の経験はショックそのものだったのです。後で割り勘が日本の文化の一つという事を知ってなぜこのような文化ができたのか気になりました。それで日本人に聞いてみて考えた結果をお話しします。

 韓国では大学卒業まで両親に世話してもらうのが当たり前の事ですが、日本は高校生から自分の事は自分でやらなければならないと聞きました。それでお金についても自分の事は自分で、という合理的な考え方が身について割り勘という文化ができたのかもしれません。

 一方、韓国には「情」という文化があります。「情」という文化は人間関係を大事にする文化です。たとえば今回食事代を私が払ったら次は相手が払ってやり取りをしながら関係を続けるというものです。そんな温かい文化があるものですから韓国人は割り勘という文化に慣れる事ができないと思います。

 でも、割り勘は日本の文化の一つです。皆さんと私は日本語だけではなく日本の文化も知りたくてここまで来たのではないでしょうか。皆さんの中には、私とは違って、すっかり日本の文化に慣れ、日本人のように割り勘をする人もいるかもしれません。しかし無条件に受け入れるより日本のいい事、つまり割り勘の合理的な考え方は受け入れて韓国の温かい「情」という文化を日本に知らせる事が留学生としての義務だと思います。

 日本にいるうちにお互いの考え方を理解して日本の合理的な考え方と韓国の温かい「情」という文化が一緒になるともう一つの美しい文化ができるのではないかと思います。

クラスの応援団

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