震災で知った「ご近所の温かさ」

「おこのみっくす15号」中野弥生町にある株式会社エフ・スタッフルームが毎月発行している「おこのみっくす」には、当校の留学生も登場したり、毎月手にとって読んだりしています。今回は、「震災、あの日あの時、そして今」というテーマで書いてほしいという依頼があり、以下のような文を書きました。多くの方々に読んでいただきたいと思い、ホームページでお知らせすることに致しました。

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        震災で知った「ご近所の温かさ」(「おこのみっくす」15号 p.8)

 地震発生時、イーストウエスト日本語学校は授業の真っ最中でした。留学生達は、速やかに近くの公園に避難し、やがて仲間同士で助け合いながら帰宅の途に着きました。残るは、数日前に来日したばかりの高校生クラスの11名。ホームステイ先は遠く、電車を乗り継いで行かなければなりません。そこで、町会のご好意で、本来宿泊は認められていない宮二町会集会所に特別泊めていただくことになりました。とはいえ、布団セットを手に入れることもできず、たくさんの座布団を敷き詰め、コートを羽織っての雑魚寝でした。
 ところが、翌朝集会所に行ってびっくり! 高校生たちは毛布にくるまって暖かそうに寝ているではありませんか。傍には、朝ご飯にと、ご近所の方が下さったたくさんのお握りとお茶がありました。
 その5日後、両親からの帰国命令で全員タイや韓国に帰って行ってしまいました。しかし、日本人の温かい気持ちに触れた高校生達は、国に帰るやいなや家族を説得し始め、なんとその半月後にまた日本に戻ってきたのです。「先生、日本は良い国ですね!私、大好きです。みんな親切です」という声とともに……。こんなすてきな「草の根外交」は、きっと若い彼等の心にいつまでも残っていることでしょう。

震災で知った「ご近所の温かさ」

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